MT翻訳後の修正を軽減するために、翻訳前にできること

 英語版データを作成するために、日本語原稿をMT(機械翻訳)にかけた後の修正作業を減らすための対策を検討します。MTで翻訳して結果を確認したときに、正しく翻訳されていなければ修正する必要があります。修正作業を少なくできれば、MTを活用して、より短い時間で、より多くの翻訳をこなせるようになります。

 日本語原稿をMTにかけ、正しく翻訳されていない結果を見ると以下のような課題が挙げられます。

  1. 文として成立していない課題
  2. 記述内容の課題

文として成立していない課題への対応

具体的には、以下のようなケースがあります。
・文の途中で改行があり、文が途切れている(1文が2文になっている)
・原稿のページが変わったところで、文が途切れている
・2文が1文になっている
 など
 MTは入力された原文の情報だけを使って、翻訳して結果を出力します。文として成立していない不完全な翻訳元の入力情報が、AI学習したことのない情報の固まりとなり、そこから出力を生成しますので、翻訳結果が期待したものとは異なることはある意味必然とも言えます。この場合、翻訳後の人による確認作業で、その結果を見ても理解が難しいので翻訳元を見ることになりますが、対象原文と共にその前後の翻訳元の文も見比べなければ、この問題が発生していることに気づけず、より多くの時間がかかることになります。MTに不完全な情報を入力しても、期待する結果が得られませんので、そのような翻訳結果は翻訳後の確認作業対象から外しておきたいところです。入力する前の段階で対処することが重要です。
 入力原稿の様式が定型で、繰り返し作業が発生するのであれば、プログラムでチェックし整形して対応すること方法も対策の一つに成りえます。最終的には、目視による確認作業に頼らざるをえないのかもしれません。ただ、不完全な入力情報に基づく翻訳結果の確認作業は、原文と訳文を見比べながら状況を把握するため、余計に作業負荷がかかりますので、翻訳前に対処することで全体の作業負荷を考慮することが重要です。

記述内容の課題と対応

 具体的には、以下のようなケースが見られます。
・ 日本文に誤字、脱字がある
・ 文が長く複雑で、よくわからない
・ 文の修飾関係があいまい

 いずれも「誤訳」の元になりやすい例です。日本語原稿そのものの修正はできなくても、翻訳元原稿として、正しく意図が伝わるように必要な修正を施してから翻訳することで、日本語原稿が意図する結果が得られるようになります。
 しかし、原稿の中のどこに、そのような文が存在するのかを探し出すのは、原稿のボリュームが大きいほど、困難な作業になります。そこでここに日本語校正ツールを活用して、問題のありそうな箇所をピックアップして、指摘箇所を中心にチェックしていくことで修正作業の短縮化を図ります。
 参考までに、日本語原稿のチェック作業時間を比較した例をご紹介します。(Just Right!活用ガイドより引用)

 日本語校正ツール「Just Right!」では、日本語原稿の誤字脱字や修飾関係、句読点、文字種統一、二重敬語、文の長さなどのチェックができます。
 その他、原稿に固有の用語や言い回し、表記統一のルールがあれば、校正辞書や表記ルール辞書に登録することで、チェックできます。日本語原稿に、同一のものに対して、カタカナ表記やアルファベット表記が混在していると、そのまま翻訳結果のゆれにも繋がりますので、入力原稿の品質を上げることは重要です。

 以上のように、実際にMTで翻訳する前に、入力原稿の品質を確認し修正することで、翻訳後の作業を軽減することが可能になります。日本語原稿の修正はできないケースであっても、本来の意図が伝わるように翻訳元原稿の修正が、MT翻訳で修正不要な翻訳結果を得る有効な手段と成りえます。

 日本文の整形プログラム作成や、日本語校正ツールの活用について、ご相談を承ります。こちらまでお気軽にお問い合わせください。

 

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