翻訳ワークフロー再考:日本語版ソース完成後に、英語版制作を開始できたら

  AI翻訳ツールを活用して、これらの課題を解決できないか検討します。日本語版ソースが完成した後に、英語版制作を開始できれば、出戻りや先祖返りといったことに直面せずに、効率よく作業が進められるはずです。しかし現実的には、翻訳作業に多くの時間を確保する必要があり、ソース修正されることを想定しながらも、だいたい固まった箇所から順々に翻訳着手しなければ、英語版の完成スケジュールに間に合わせられないのが現実です。

主なトピック
一般的な翻訳ワークフロー
課題の洗い出し – 時間短縮できそうな工程はないか?
翻訳ワークフロー改善案
将来展望

 AI翻訳活用の最大のメリットは、時間短縮です。必要な時に必要な量をいつでも翻訳でき、どんなに作業投入しても、適切な用語適用など一貫性を維持して、待ち時間を大幅に削減して、翻訳結果を入手できます。
 既存の翻訳ワークフローを、AI翻訳を活用したワークフローにするとしたら、どのような効果が期待できるのか順を追って検討します。 

一般的な翻訳ワークフロー

以下に、一般的な翻訳ワークフローを示します。

課題の洗い出し – 時間短縮できそうな工程はないか?

  既存の翻訳ワークフローの中で、人が介在しなければできない作業と、ソース完成前に翻訳作業を着手することで発生する課題の洗い出しを行います。

人の対応が必要な作業

●翻訳後のネイティブチェック
 - 自社固有の言い回し、ニュアンスは、自社製品を知る人でなければチェックは不可能
●正確性のチェック
 - 製品のことを知っている人でなければ、正確性のチェックは不可能


→これらの作業は、成果物の品質に関わる部分であり、人が介在する必要があり、相応の時間をかける必要がある工程。

ソース完成前の翻訳作業着手により発生する課題

●ソースに発生した修正は、英語版反映の作業へと、繰り返し発生する
 - ソースが修正される度に同様の繰り返し作業が、英語版データでも繰り返し発生する
●翻訳に必要なファイルの準備に時間を要する
 - 翻訳対象とするデータ収集、適用するTMデータの収集、英語ガイドラインの提供など
●翻訳完了の予定は、翻訳会社との調整が必要
 - 翻訳量に応じた作業時間確保のためのスケジュール調整、受発注手続きなど

→これらの作業は、翻訳会社に作業依頼する度に繰り返し発生する作業となり、重複箇所の発生が、先祖返りが発生しないようチェック作業も煩雑になります。ツール活用で時間短縮できる工程。

翻訳ワークフローと人による作業

翻訳ワークフロー改善案

 AI翻訳などツールを適用して改善されたワークフロー案を示します。グレーアウトされた部分の作業時間を削減し、翻訳に関わる作業時間を大幅に短縮します。人が対応するネイティブチェックや正確性チェックに必要な時間を確保した上で、英語版完成に向けて、翻訳着手するタイミングを、ぎりぎりまで後ろに設定することを実現します。

ポイントを3つ上げます。
1.日本語校正
2.AI翻訳活用
3.AI翻訳モデルの継続的な改善

1.日本語校正

 AI翻訳は、入力された情報だけ使用して翻訳するので、原文の品質は重要です。誤字脱字や、修飾関係のあいまいさは、誤訳の原因になりやすいため、翻訳前にチェックすることで、日本語の誤りをチェックします。
 日本文執筆時に、適切な用語使用や文としての論理性確保など、可能な限り日本語版ソースの完成度を高めます。

2.AI翻訳活用

 必要な時に必要とする量をいつでも翻訳することができるので、待ち時間を大幅に削減しながら、一貫性が担保された翻訳結果を出力します。自社専用のAI翻訳を構築して、自社固有の表現に沿った翻訳結果を得られるようにします。自社固有の用語や専門用語など辞書登録すると共に、これまでに翻訳したドキュメントから学習データを作成し、ディープラーニングすることで構築できます。
 日本語版の完成後に英語版を制作に着手するので、翻訳工程での記述内容の確認などコミュニケーション負荷や手戻り作業を削減し、英語版制作の時間短縮を図れます。短縮できた時間は、日本文執筆に多くの時間を割けられるようにもなります。

3.AI翻訳モデルの継続的な改善

 人が対応する必要があるネイティブチェックや正確性チェックで修正された結果は、AI翻訳モデルの再学習にも活用し、AI翻訳の翻訳精度を改善していきます。学習された内容は次の翻訳に反映できるので、チェック作業の軽減化を図っていくことができます。

将来展望

 マニュアル制作に活用できる自社専用のAI翻訳は、適切な用語適用や、自社固有の表現に対応したAI翻訳です。構築した自社専用のAI翻訳は、マニュアル制作部門に限定するのではなく、設計開発部門、販売促進部門、サポート部門など、全社で活用するのに最適なAI翻訳モデルとなります。

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