AI翻訳でリバース翻訳して、翻訳しやすい日本語を作成するための勘所(第1回)~ AI翻訳を活用した日本語原文の修正作業 ~

 日本語のライティングを進めるときに、記述対象の事柄について熟知しているが故に暗黙知を前提とした記述をしてしまったり、文章があいまいになってしまったりしたことはありませんか。そして、そのことを他の人から指摘されたりすると、素直に受け入れることが難しかったりもしますが、自分では見逃してしまったことを、自分で気づくのはなかなか大変です。

 そこでAI翻訳を活用し、日本語ライティングしながら日→英→日翻訳のリバース翻訳で生成された日本文を確認することで、日本語原文が正しく解釈できる文になっているのか、自分で確認できるようになります。生成された英文を見ることなく、日本語でのライティングに集中できます。
 修正した日本文は、すでに翻訳して確認済みの日本文なので、翻訳工程での記述内容の確認など、確認作業のやりとりの軽減も期待できます。AI翻訳は、自分の必要なタイミングで、必要な箇所を、何度でも翻訳して試してみることができるので、待ち時間のストレスもなくライティングを進められます。

 AI翻訳を活用して、翻訳しやすい日本文を作成していくために、どのような点を気にかける必要があるのか、その勘所を探ります。実際に作業を進める中で確認できた課題をあげ、その対処方法を3回に渡って検討していきます。
 題材は、ISEの以下のWebサイトページから60文を抽出し作業を進めていきます。
https://lp.ise.co.jp/worktransform/

・第1回:AI翻訳を活用した日本語原文の修正作業
 まずは、日本語原文を日英翻訳します。次に、日英翻訳で生成された英文を見ることなく、英日のリバース翻訳で生成された日本文を確認し、必要に応じて日本語原文を修正します。実際の作業の進め方の例と、どのくらい修正することになったか等、ご紹介します。

・第2回:修正日本語原文で生成された英文の評価
 日本語原文の修正では、生成された英文を見ることなく作業を進めてきました。リーバス翻訳して確認した日本文は、意図した内容の日本文となってはいますが、英文としての精度はどうなったのでしょうか。検証します。

・第3回:AI翻訳のチューニングのポイント
 英文として意図した英文にするために、AI翻訳エンジンのチューニングについて検討します。

目次

第1回 – AI翻訳を活用した日本語原文の修正作業

 リバース翻訳で生成された日本文が、翻訳元の日本文が意図していた内容の文となっているかを確認します。意図していた内容になっていない場合には、翻訳元の日本文を修正し、意図していた内容になるまで、これを繰り返します。まったく同じ文になることは基本的にない想定で、伝えたい内容が維持されればOKとしました。
 実際の作業について例題を使ってご紹介します。

原文の修正作業の進め方

例題:指摘作業と、指示書作成を一体化して行えるため、作業漏れを防ぎます。

 この例題は、ISEのJust Right!連携プラグイン for Acrobatのご紹介資料から1文をピックアップしました。紹介資料の内容や訴求ポイントを知っている場合には、この1文に違和感はないのかもしれませんが、1文だけを取り出し、背景もわからず見ると、伝えたい意図を理解することは困難です。

まずは、そのままAI翻訳で翻訳してみます。日英翻訳のあと、英日翻訳のリバース翻訳で日本文を生成します。
英日リーバス翻訳:ポインティング作業と命令作成を統合できるため、作業漏れを防ぎます。

英日リバース翻訳された日本文では、以下の点がよくわかりません。
・ポインティング作業や命令作成とは、いったい何のことなのか?
・作業と作成を統合とあるが、文として何を言っているのかわからない。
そこで、あいまいな点を明確にして修正し、改めて翻訳します。

修正文:間違いの指摘作業と、修正指示書の作成作業を一体化して行えるので、作業漏れが防げます。
英日リバース翻訳:間違いを指摘する作業と修正指示書を作成する作業を統合できるので、作業漏れを防ぐことができます。

こちらの英日リバース翻訳であれば、原文で伝えようとしていた内容で生成できるようになりました。

改めて、原文と修正文を比べます。
原文:指摘作業と、指示書作成を一体化して行えるため、作業漏れを防ぎます。
修正文:間違いの指摘作業と、修正指示書の作成作業を一体化して行えるので、作業漏れが防げます。

以上のような流れで、原文の修正を進めていきます。

検証対象文の日本文修正内容

今回は、原文の修正作業が極力少なくなることを心がけて作業を進めています。最終的に対象60文のうち、13文を修正しました。主な修正内容としては、以下の通りです。

  • 主語の明確化
  • 句読点の追加
  • 略語の言い換え
  • 冗長さの排除 など

 文の論理構造をAI翻訳が適切に処理できていないところなどは、句読点をつけたり、主語を明確化することで、対応しました。また、丁寧に説明してし過ぎていた文や、1文が長い文など、文が複雑になってしまっている箇所については、シンプルに記述したり、文を分割するように対応しました。また、作業を進めるにあたり、文章に登場する固有用語等は辞書登録して進めました。

 リバース翻訳で生成された日本文の確認と修正作業を進め、修正された日本文が完成しました。次回は、修正された日本文をAI翻訳で日英翻訳し、その翻訳結果を検証します。どんな課題が浮き彫りになるのか確認していきます。


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