FAQ – 執筆時のAI活用で、翻訳しやすい日本語をつくる

[2021.10]原文執筆時からAI翻訳を活用することの利点は何ですか?

原文執筆時からAI翻訳を活用することの利点を3つ挙げます。
・自己完結型で進める原文執筆作業[ストレスフリー]
・コミュニケーション負荷を軽減[共同作業の円滑化]
・英文マニュアル制作時間の短縮[無駄の削減]

[ストレスフリー]
AI翻訳を活用する一連の作業は自分の都合で実施できるため、必要な時に、必要な分だけ、何度でも、AI翻訳の結果を見ながら自ら修正できるので、自分本位にストレスなく業務を進められます。

[共同作業の円滑化]
執筆者がAI翻訳の結果をみながら原文を修正していくことができるので、原文の論理性が向上します。論理性欠如による申し送りや内容確認作業が軽減できることで、 原文作成から翻訳作業等でのコミュニケーション負荷が軽減し、必要な作業に時間を割けるようになります。

[無駄の削減]
制作工程間での段取りを整える調整時間や依頼作業が完了するまでの待ち時間が短縮できるため、制作作業に関連する付帯業務を削減でき、英文マニュアル完成までの制作時間が短縮できます。

 AI翻訳の品質が大幅に改善された昨今、AI翻訳の特性を理解し、日常業務のツールとして活用することで、情報を「つくる」作業の負担を軽減しながら、顧客が「つかう」情報の正確性が向上します。執筆工程から翻訳工程に移る流れの中で、自身の原文に論理性が欠けている点を他人から指摘されることはストレスに感じることもあるかと思いますが、AI翻訳ツールを活用すれば、他人に頼ることなく自身の知識で論理性検証が行え、文構造が複雑かつ非論理的であった箇所も、自分の意思で原文を修正できます。自身の書く文も改善され、効果的な翻訳文も得られるようになります。

[2021.9]自社のAI翻訳を構築するには、Translation Memory(TM)が必要ですか?

 自社にTMがなくても、公開済みドキュメントを活用すれば、自社データを学習したAI翻訳の結果を確認できます。公開済みドキュメントを元に対訳データを作成し、AI学習の教師データにします。公開済みドキュメントを元にした教師データですので、翻訳精度も確かなものとなります。

 TMを保持していても、公開前の作業中データが混在していることがあります。未確認データや不採用だったデータが含まれると、公開後のデータに比較して品質が劣りますし、TMに保持しているデータの作成時期を特定できない場合には、昔のデータが存在するかもしれません。
 公開済みドキュメントをAI学習の教師データにすれば、作成時期を特定できるため、品質を管理できます。AI学習のための教師データに不確かな情報が含まれることで、意図しない翻訳結果がもたらされる原因になりかねませんので、AI教師データの品質は重要です。

[2021.8] AI翻訳に、予め専門分野に特化したモデルはないのでしょうか?

汎用的なAI翻訳モデルを専門分野に特化させたカスタムモデルが公開されており、利用目的に沿うモデルを選択し利用できます。SYSTRANが提供するSYSTRAN Marketplaceは、AI翻訳のカスタムモデルを流通させるプラットフォームで、企業や団体がカスタムモデルを公開していますので、SYSTRAN Marketplaceで選択して利用できます。

選択したカスタムモデルはそのまま利用できますし、意図した翻訳結果が得られない場合には自社の対訳データを追加学習させることもできます。目的に沿うカスタムモデルに対して、自社固有の表現だけを追加学習させることで、学習量を絞りながら高性能なAI翻訳カスタムモデルを構築できるようになります。

ISEでは、中日/日中医療分野のカスタムモデルを公開しています。中国語で書かれた医療関係の文書を、適切な用語で日本語に翻訳できるようチューニングしたカスタムモデルで、医療系の特にIVD(In-Vitro Diagnostics)分野の翻訳に特化しています。現在、専門用語や中国関連部門の名称は2020年10月時点のものをベースにチューニングしており、順次更新していく計画です。

トライアルサイトはこちらを参照ください(外部サイトに移動します)。
https://www.systransoft.com/marketplace-catalog/owner/?id=ise

本番運用で活用するには、SYSTRAN Pure Neural Serverのオンプレミス環境が必要です。
専門分野に特化したカスタムモデルの作成や、SYSTRAN Pure Neural Serverのオンプレミス環境の詳細については、ISEまでお問合せください。

[2021.7] Q. Adobe RobohelpからT-4OOやT-3MTを利用することはできますか?

A. Adobe Robohelpの機械翻訳連携機能を使用して、Adobe RobohelpとT-4OO/T-3MTを連携させ、翻訳ワークフローの自動化が可能です。

ヘルプコンテンツのオーサリングツールであるAdobe Robohelpには、コンテンツを複数の言語に翻訳するため、機械翻訳と連携する機能が装備されています。標準では、Google翻訳API、Yandex Translate API、Microsoft翻訳テキストAPIへの接続用プロファイルが用意されていますが、自社で利用する機械翻訳を接続させるためのプロファイル、カスタムプロバイダAPIがあり、これを利用してT-4OO/T-3MTと接続できます。

Adobe Robohelpの翻訳プロファイル設定画面。
Custom Povider APIを選択し、必要な情報を入力します。

 Rozetta APIドキュメントの認証方法の記述を参考に、必要情報をRobohelpの設定項目に設定すれば、T-4OOやT-3MTに接続できます。設定そのものは、ドキュメントを参考にご自身で設定もできますが、API接続環境のご相談や設定作業等、ISEでも承ります。お気軽にお問い合わせください。お問い合わせは<こちら>までお願いします。

*)実際のご利用には、別途、T-4OOやT-3MTとAPI接続するためのお申込みと、ロゼッタ社が発行するAPIキー等が必要になります。トライアルのお申込みや、実使用のお申込みはISEにて承ります。お問い合わせは<こちら>までお願いします。

そのほか、ISEからはAdobe FrameMakerからT-4OOやT-3MTに接続するためのプラグインを用意しております。プラグインの概要は「執筆作業中に、必要な時に必要箇所を日英翻訳と英日翻訳できるツール」をご覧ください。

[2021.6] Q. 目的別にAI翻訳モデルを構築することは効果的ですか?

A. 自社の製品シリーズなどで使用している固有表現を正しく翻訳できるようにするために、製品分野毎に専用のAI翻訳モデルを構築することは効果があります。同じ用語でも対象分野によって適切な意味が異なることがありますので、それらの用語が使用されている対訳データを教師データとしたAI翻訳モデルは、その分野に適した翻訳結果をもたらします。専門性が高い領域や、文章の対象が特殊な場合などにおいても、その分野に特化したAI翻訳モデルの構築によって、意図した翻訳結果が得られるようになります。

SYSTRAN Marketplaceは、目的に特化させたAI翻訳モデルを利活用できるプラットフォームです。AI教師データからAI翻訳モデルを1から構築しなくても、すでに公開されているAI翻訳モデルから目的に合うモデルを選択して利活用できます。そのモデルを更に特化させたい場合には、追加学習をして、より自社の意図に沿う翻訳結果を出力するAI翻訳モデルを構築できます。

ISEでは、中日/日中医療分野に特化させたAI翻訳モデルを、SYSTRAN Marketplace上で公開しています。中国語で書かれた医療関係の文書を、適切な用語で日本語に翻訳できるようチューニングした目的特化型の専門エンジンで、IVD(In-Vitro Diagnostics)分野の翻訳に特化しています。医療関係ドキュメントを翻訳される方にご活用いただけましたら幸いです。

詳しくは、以下のサイトを参照ください。
分野特化型AI翻訳の専門エンジン提供
https://www.ise.co.jp/ja/product/translation-engine/

[2021.5]AI翻訳で自社専用の翻訳エンジンを構築すると翻訳品質は向上しますか?

AI翻訳は、教師データで学習したことを元に翻訳します。自社専用エンジンを構築するために使用した教師データと、執筆した原文の類似性が高いほど、翻訳品質が向上します。

原文に、教師データには無い形式の記述や、似て非なる記述がある場合など、教師データと乖離する場合には、AI翻訳は混乱し、訳抜けや誤訳が発生しやすくなり、学習効果が現れず翻訳品質は向上しません。また、AI学習の教師データそのものに、似て非なる類似の対訳データが混在しても、翻訳品質は向上しません。自社専用のAI翻訳エンジンを構築するために、既存のTranslation Memoryを教師データに活用する場合、重複データの削除や、リリースしたドキュメントに使用された対訳データのみにするなどの対策が有効です。構築前に対訳データのクリーンナップを行うことが性能向上の要です。

ライティングルール等、自社のガイドラインに基づいたドキュメントから対訳データを抽出して構築したAI翻訳エンジンは、自社のガイドラインに則った自社専用の翻訳エンジンとして利用できます。翻訳対象の原文もガイドラインに則った文章にすることで、翻訳品質が向上します。

原文が、ガイドラインに則った記述であるかを、翻訳する前に確認する場合、個々人の執筆者がチェックしても個人差が発生し、似て非なる類似の文のチェックも難しくなります。そこで、ジャストシステム社のJust Right!にガイドラインのチェック項目を実装することで、実装できた部分のチェック作業の短縮化が可能です。統一された一定の基準でチェックできるので、原文を一定基準に整えることができます。課題がでた場合の品質改善も計画を立てて進められるようになります。

Just Right!には、1文の長さ制限指定や慣用表現の使用有無をチェックする等のチェック項目の設定や、用語辞書や表記ゆれ辞書、ルール辞書等の機能があります。これを活用して、自社のガイドラインのチェック項目をJust Right!に実装することで、チェック時間の短縮化を図ることができます。

自社ドキュメントから作成した対訳データを使用した自社専用翻訳エンジンと、
執筆中のドキュメントをJust Right!でチェックし、翻訳結果を得るワークフロー

<ご案内>
試用をご希望の方には、最大1か月間無料にてJust Right!をお試しいただけます。
こちらから、お問い合わせください。

[2021.4] 執筆した日本文を簡単にチェックする方法はありますか?

素早く日本語をチェックできるツール、ジャストシステム社Just Right!を活用することで、執筆した文章をチェックする時間を短縮できます。日本語の文法や表現方法に関する書籍を読んで理解して実践で使っていくのは、なかなか大変です。さらに、記述した文章が正しいのかチェックしていく作業は時間もかかります。

Just Right!であれば、誤字や脱字、表記ゆれをすぐにチェックできます。校正用の辞書に自社の用語を登録すれば、適切な用語の使用をチェックできますし、ルール辞書を使用すれば、表記ルールに則っているかのチェックもできます。

テクニカルコミュニケーター協会のWebサイトには、日本語スタイルガイド第3版対応ATOK/Just Right!データ集が無償提供されています。校正用辞書やルール辞書等が収録されていますので、ダウンロード後、手順書に従って、Just Right!を設定すると、メニューにTC日本語スタイルガイド第3版(ルール辞書併用)が表示されるようになります。この校正設定を使用することで、多種多様な企業において培われた⻑年の経験から⽣み出されたスタイルガイドに則した観点ですぐにチェックできます。

日本語スタイルガイド第3版対応ATOK・Just Right!データ集の紹介ページ
http://www.jtca.org/standardization/index.html#23
校正設定の内容や、設定方法はダウンロードされるファイルに収録されています。

Just Right! + 日本語スタイルガイドのデータ集を使うことで、
日英翻訳のときには、翻訳前の日本文チェックに
英日翻訳のときには、翻訳後の日本文チェックに使用できます。

用語辞書に自社用語を登録することで、自社の用語が適切に使用されているかをチェックすることもできます。

試用をご希望の方には、最大1か月間無料にてJust Right!をお試しいただけます。
こちらから、お問い合わせください。

[2021.3] 日本文を執筆しながら、リバース翻訳を試していく作業はどんな流れになりますか?

日本文を書きながら、リバース翻訳を試していく作業をご紹介します。

例題として、ISEのJust Right!連携プラグイン for Acrobatの特徴を示す文を取り上げます。

例題:指摘作業と、指示書作成を一体化して行えるため、作業漏れを防ぎます。

まずは、そのままAI翻訳で翻訳してみます。
日英翻訳: Prevents work omissions because pointing work and instruction creation can be integrated.
英日リーバス翻訳:ポインティング作業と命令作成を統合できるため、作業漏れを防ぎます。

英日リバース翻訳された日本文は、

  • ポインティング作業命令作成とは、いったい何のことなのか?
  • 作業と作成を統合とあるが、文として何を言っているのかわからない。

ということが確認できました。
そこで、あいまいな点を明確にして修正し、改めて翻訳します。

修正文:間違いの指摘作業と、修正指示書の作成作業を一体化して行えるので、作業漏れが防げます。

日英翻訳:Since the work of pointing out mistakes and the work of creating correction instructions can be integrated, work omissions can be prevented.
英日リバース翻訳:間違いを指摘する作業と修正指示書を作成する作業を統合できるので、作業漏れを防ぐことができます。

こちらの英日リバース翻訳であれば、原文で伝えようとしていた内容を理解できます。


改めて、原文と修正文を比べます。
原文:指摘作業と、指示書作成を一体化して行えるため、作業漏れを防ぎます。
修正文:間違いの指摘作業と、修正指示書の作成作業を一体化して行えるので、作業漏れが防げます。

自分の思い込みで記述し、自分では見逃した文章のあいまいさを、リバース翻訳で生成された日本文を見ることで確認できます。そして、原文を修正していくことで、リバース翻訳した結果でも、意味がわかる文を作成してききます。AI翻訳は、自分の必要なタイミングで、必要な箇所を、何度でも翻訳して、試してみることができるので、意味のわかる日本語文章をを確認していくツールとして活用できそうです。企画書や稟議書のように、背景を共有しない方にも理解できるような文章を記述する際に、文章の明確さを確認する手段のひとつになるかもしれません。

[2021.2] 日本語原文の固有名詞が意図したとおりに訳されませんが、どうしたらいいですか?

訳文の品質レベルを上げるために、専門用語や固有名詞は、AI自動翻訳の用語登録機能を使って用語登録します。用語辞書に日英の対訳を登録することで、意図したとおりの翻訳結果を得ます。また、原文の表記ゆれをなくし、表現を統一することで、日英辞書に登録した用語を適切に適用します。

原文の表現がまちまちだと、後に続く翻訳で複数の訳文が生み出され、チェック作業が増えることになります。Just Right!等の用語管理ツールを活用して、元言語の時点で表現、用語を統一し、翻訳後のチェック作業を低減化します。

[2021.1] 翻訳前に日本語原文をチェックする理由は何ですか?

原文のあいまいさや間違いは、翻訳結果に反映され、誤訳や意図していない翻訳結果となる場合もあります。本来、同じ意味を表すはずの原文が、翻訳により間違った情報を伝えかねません。そこで、以下のような点を翻訳前に修正することで、原文の精度を向上させます。

  • 使用している用語の誤り
  • 用いられている表現の誤り
  • 構文の誤り など
[2021.1] リリース後の原文に修正が必要な場合、全翻訳が必要ですか?

必要ありません。修正があった箇所だけAI自動翻訳で翻訳するという方法があります。チェック作業も修正箇所のみとなり、必要な作業に集中することができます。

[2021.1]執筆時に活用するAI自動翻訳の導入は、どのように進めればよいですか?

執筆時にAIを活用することを目指して、段階的に導入を進めるステップをご紹介します。
ステップを踏むことで、既存業務への影響を抑えながら進めることができます。

– ステップ0 AI自動翻訳をどこで成果をあげるのかを明確にする
まずはフォーカスを絞り、集中することが大事になります。執筆時に使うのか?翻訳業務の効率化に使うのかでは、目的が異なり評価する項目も変わってきます。そして、実際に既存ドキュメントの一部を、AI自動翻訳で、日英翻訳、さらに英日のリバース翻訳をしてみて、現在の状況を確認することも大事です。

– ステップ1 ⾃社の要求に合う、翻訳モデルを構築する
最初のステップは、⾃社の要求に合うAI⾃動翻訳の翻訳モデルを構築しましょう。これまでの翻訳実績と、⾃社の⽤語をAI教師データにして作成した翻訳モデルを作成します。

– ステップ2 作成した翻訳モデルを翻訳業務で活⽤する
翻訳業務で活⽤を開始します。繰り返し使⽤する中で出てくる課題は、再学習させることで、精度を向上させます。

– ステップ3 執筆時にAI⾃動翻訳ツールを活⽤
実際に執筆時に、AI自動翻訳を活用開始します。⾃社の要求を満たす翻訳エンジンを使い、⽇英翻訳。翻訳された英⽂を使って、リバース英⽇翻訳し、意図した意味になっているかを日本語で確認しまんす。こうすることで、翻訳エンジンに耐えうる⽇本語原⽂に修正しながら、執筆作業を進めることが可能になります。

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