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「インテリジェントバスタブ」システムの構築

「インテリジェントバスタブ」システムの構築

会津大学と株式会社情報システムエンジニアリング(ISE)は、2019年から健康管理と異常検知の機能を提供する見守りシステムの構築を目指して共同研究を進めてきました。すでに特許を2件*取得しています。
会津大学の生体医用情報工学分野では、生体データを扱う機器をいくつも開発してきました。
ISEは、介助・介護する人、受ける人双方のウェルビーイングの実現を、独自技術で支援することを目指しています。
現場で使われているさまざまな機器からの通知を統合して受け取る仕組みを提供し、運用負担を軽減します。
多くの日本人はお風呂に毎日入る習慣があります。その一方で高齢者の浴室での事故が増加しています**。高齢者の浴室での安全確保は解決すべき社会課題です。このシステムは浴槽に浸かるだけで生体データを計測でき、機械学習アルゴリズムを用いて解析し、快適とされる範囲の逸脱が生じればアラートを発信します。
*共同特許:
特許7126230(入浴者見守りシステム 2022年2月4日出願)
特許7162232(心拍分類装置及び入浴者見守りシステム 2022年8月5日出願)
**消費者庁 令和2年(2020年)11月19日付ニュースリリース

厚生労働省の「人口動態調査」によると、高齢者 1 の「不慮の溺死及び溺水」による死亡者数は高い水準で推移しており、近年では「交通事故」による死亡者数よりも多くなっています。

消費者庁「冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」令和2年(2020年)11月19日

推知技術が提供する価値

心地良さと身体負荷のバランスを推定し、丁度いい入浴時間を報知する

高齢者の入浴は身体に良い?悪い?

浴槽浴を習慣にしている高齢者は、要介護認定リスクが小さくなる

グラフ:浴槽入浴習慣があると要介護認定リスクが減る

引用:日本老年学的評価研究(JAGES)プレスリリース

参照論文:Yagi A, Hayasaka S, Ojima T, Sasaki Y, Tsuji T, Miyaguni Y, Nagamine Y, Namiki T, and Kondo K.(2018). Bathing Frequency and Onset of Functional Disability Among Japanese Older Adults: A Prospective 3-Year Cohort Study From the JAGES. J Epidemiol. 2019 Dec 5;29(12):451-456.
JAGESプロジェクト(日本老年学的評価研究機構)

入浴時の死亡者は交通事故死亡者の数を越えている

グラフ:交通事故と浴室内の溺死溺水の死亡者数の推移

参照:政府統計 人口動態調査

高齢者は神経系の老化で「のぼせ」を感じにくく、心地良さの実感を得るため、長風呂になる傾向

「インテリジェントバスタブ」システム

特徴

  1. 入浴中の不整な脈および心拍をリアルタイムに自動検出する
  2. 入浴中の快適性を自動推定する
  3. 健康状態変化を長期追跡する

心電信号(ECG)をベースに独自開発した快適度の指標を用いて、心身の快適状態を見守ります。
快適度低下時には浴槽の水栓を抜き、溺死リスクを下げる処置も実施できます。

心拍ごとの検出
心拍ごとの検出
心拍ごとの分割
心拍ごとの分割
快適性の推定
快適性の推定

共同研究の実績

S. M. Isuru Niroshana, Satoshi Kuroda, Kazuyuki Tanaka & Wenxi Chen (2022). Beat-wise segmentation of electrocardiogram using adaptive windowing and deep neural network. Scientific Reports

テーマ:適応ウィンドウと深層ニューラルネットワークを用いた心電図の拍ごとのセグメンテーション. Scientific Reports

掲載日:2023年7月7日

概要:心電図(Electrocardiogram:ECG)のタイムリーな異常検出と自動的な解釈は、患者のモニタリングや治療後の処理など、多くの医療応用において重要な役割を果たします。心電図の拍ごとのセグメンテーションは、多くのECG自動分類手法の信頼性と忠実度を保証する上で必要不可欠なステップの一つです。
本論文では、CNN(Convolutional Neural Network)モデルベースの適応ウィンドウアルゴリズムを用いた信頼性の高いECG拍セグメンテーション手法を提案します。この適応ウィンドウアルゴリズムは心拍イベントを認識し、規則的および不規則な拍を含むECG信号から正確な境界をセグメンテーションできます。
本提案手法は、アノテーション付きのデータセットを用いて拍ごとの自動セグメンテーションと手動検査(目視確認)を比較して、定量的および定性的に評価しました。
本提案手法は、MIT-BIHデータセットに対して99.08%の正確性と99.08%のF1スコアで心拍を検出し、正しい境界の決定においても99.25%の正確性を示しました。また、European S-Tデータベースに対しては98.3%の正確性と97.4%の適合率で、さらに、Fantasiaデータベースに対しては99.4%の正確性と適合率でそれぞれ心拍を検出しました。
これらの3つのデータセットを用いて評価した本提案手法の総合的な性能からは、臨床応用を含むECG解析のさまざまな応用においてこの手法が適用される可能性が高いことを示唆しています。

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