AI翻訳の導入で見落としてはいけないポイント

読者の方からのご質問にお答えします。

 日進月歩、進化を続けるAI翻訳エンジンですが、今、何を選択すればよいのかよくわかりません。翻訳精度がどんどん上がっているようですし、もう少し待ったほうがよいのかもと判断がつきません。どのような観点で捉え、製品(サービス)を選択して、導入を進めればよいのでしょうか?

 AI翻訳をご検討されているお客様との会話でご指摘を受けるものとして、クラウドなど無料で使用できるAI翻訳の翻訳精度は上がってきているが、実務で利用する文章で自社が期待するような翻訳精度が得られないといったものがあります。一般的な文章では使用できても、専門性の高い専門用語が使用されている文章や、自社の業務に使用している文章には使えないということかと思います。
 現在のAI翻訳は、教師データとして何を学ぶかでその翻訳精度をコントロールできますので、自社が使用している用語や表現をAI教師データにして学習させ、自社の都合で再学習させ、改善を繰り返すことで、翻訳精度を向上できます。自社専用にAI翻訳を学習させられるかが、AI翻訳を選択する上での大事な点となります。

 一つのエンジンでどんなものでも翻訳しようとするので、
「使えない」
となります。ちゃんと自社データで学習ができれば、ポストエディットも必要ないほど
「使える」
ようになります。それにはやはり自社データの蓄積は必須であり、
それを始めるのは、他でもない
「今」
です。

 また、一般的に利用しやすいクラウド型のAI翻訳は無料で使用できても、データセキュリティの点で安全とはいえません。データは収集されておりますし、どんな文書が翻訳されているのかは、その企業の関心を示す情報になります。個人情報を含むデータの国外への提供は、どの国、地域でも問題があります。もし、海外に漏れた個人情報がきっかけで訴訟になれば、データの保管先、つまり海外の法律に従うことになります。特に米国などでそのようなことになれば、目が飛び出るような多額の損害賠償金が発生することも、あながち非現実的ではありません。
そんなリスクを、「ちょっと翻訳」という従業員の些細な行動でおかしてはいけないと考えます。

この2点だけでも、今、セキュアな環境で自社の用語を学び続けるAI翻訳の導入をお薦めいたします。
昨今、セキュアなAI翻訳環境へのお問い合わせが非常に多くなっている状況です。下記の記事からも、政府が問題視しているのがわかります。

(参考)
産経新聞 2021/12/18 18:20
<独自>国家文書への自動翻訳、ヒンディー語など拡充へ
https://www.sankei.com/article/20211218-5U6LQJS6RNJ5DGCWJTSJLPI4YY/

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