AI翻訳から意図した結果を得るために簡単にできるワンポイント(7) – コンテキスト情報を活用する

通算 第47号

AI翻訳を使用して、意図した翻訳結果が得られるようにするために、簡単にできることをお伝えします。

ワンポイント – コンテキスト情報を活用する

 AI翻訳は、与えられた文章だけを頼りに翻訳を行います。専門用語や固有の表現が含まれている場合、AI翻訳が適切な翻訳結果を出力できない場合があります。そこで、コンテキスト情報を与えることで、意図した翻訳結果が得られやすくなります。
 コンテキスト情報とは、翻訳対象の文章に関する背景情報のことです。例えば、業界や専門分野、役割や状況、省略形や略語の意味などが挙げられます。

具体的な例

  • 業界や専門分野を明示する
    「リード」という言葉は、文脈によって「潜在顧客」(マーケティング)、「端子」(電子工学)、「主旋律」(音楽)など、さまざまな意味を持ちます。翻訳する文章の前に「これはマーケティングに関する文章です」のように、簡単な背景を添えることで、AI翻訳が適切な意味を選択できるようになります。
  • 役割や状況を明確化する
    「実施する」を翻訳する場合、「この計画は私たちが実施します」なのか「この計画を顧客が実施します」なのかによって、適切な訳語が異なります。「顧客向けの手順書です」のようにコンテキストを提供することで、主体が明確になり、より意図に沿った翻訳結果を得られます。
  • 省略形や略語に補足を加える
    「AI」を「人工知能」と補足する、「FAQ」を「よくある質問」と補足するなど、略語と正式名称の組み合わせを例示することで誤訳の軽減が期待できます。

生成AIを活用する場合

 最近のAI翻訳では、生成AIと呼ばれる技術が用いられています。生成AIは、大量のデータから学習することで、より自然な翻訳を生成することができます。生成AIを活用した翻訳では、上記のコンテキスト情報に加えて、文書の目的や、対象読者、関連情報を提供することで、より適切な表現を選択した翻訳結果が得られやすくなります。

関連記事のご案内

お問い合わせ

お気軽にお問い合わせください。
※株式会社情報システムエンジニアリングよりご案内させていただきます。

*)セールスに関してご返信はいたしませんので、あらかじめご了承ください。

個人情報の取り扱いについて

  • URLをコピーしました!
目次