AI翻訳を使用して、意図した翻訳結果が得られるようにするために、簡単にできることをお伝えします。
ワンポイント – 簡単な言い回しを使う
日本語特有の言い回しや複雑な表現は、英語など他の言語に正確に翻訳できない場合があります。複雑な表現は、できるだけシンプルな言い回しをすることで、AI翻訳が意図した意味をより正確に捉えやすくなります。以下、ChatGPT(4o)とのQ&Aから得られた結果も参考に、簡単な言い回しを使うためのポイントを5つ挙げます。
1.長い修飾語を避ける
長い修飾語を使うと文章が複雑になり、意図が伝わりにくくなります。複雑な修飾語を減らすことで、簡潔で理解しやすい表現になります。
例文1
複雑な表現:顧客満足度を向上させるために、新しいシステム導入後に発生するであろう可能性のある問題を迅速に解決できる体制を構築する必要があります。
簡単な表現:顧客満足度向上のため、新システム導入後の問題をすぐに解決できる体制が必要です。
例文2
複雑な表現:この装置の正常な動作を保証するために、電源ケーブルが損傷していないことを確認し、正しく接続されていることを確認する必要があります。
簡単な表現:装置が正常に動作するために、電源ケーブルが無傷で正しく接続されていることを確認してください。
2.二重否定や複雑な否定表現をシンプルにする
二重否定を避けることで、読み手にとってわかりやすい表現になります。
例文1
複雑な表現:この手順を間違えないようにしなければ、問題が発生する可能性があります。
簡単な表現:この手順を正しく行うことで、問題を防げます。
例文2
複雑な表現:この部品を外さない限り、装置を完全に分解することはできません。
簡単な表現:この部品を外すと、装置を完全に分解できます。
3.具体的な動詞や名詞を使う
具体的な動詞や名詞を使うことで、より直接的で理解しやすい表現になります。
例文1
複雑な表現:計画を遂行するために十分なリソースを確保することが必要です。
簡単な表現:計画を進めるために、十分なリソースが必要です。
例文2
複雑な表現:本装置の使用を行う前に、各部品の検査を実施することが推奨されます。
簡単な表現:本装置を使う前に、各部品を確認してください。
4.曖昧な表現や婉曲的な表現を避ける
曖昧さを減らすことで、行動が明確になり、読者にとってわかりやすい指示になります。
例文1
複雑な表現:可能であれば、取引先の都合も考慮しつつスケジュールを調整してください。
簡単な表現:取引先の都合に合わせてスケジュールを調整してください。
例文2
複雑な表現:可能であれば、このボタンを押す前に設定を確認していただくことをお勧めします。
簡単な表現:このボタンを押す前に、設定を確認してください。
5.慣用的な表現を避ける
慣用的な表現の使用を避けて具体的な指示にすると、わかりやすく伝わります。
例文1
複雑な表現:前例に倣うのではなく、独自のアプローチで問題を解決する必要があると感じます。
簡単な表現:独自の方法で問題を解決すべきです。
例文2
複雑な表現:電源が入っていることを確認せずに作業を始めると、思わぬ落とし穴にはまる可能性がありますのでご注意ください。
簡単な表現:電源が入っていることを確認してから作業を始めてください。
まとめ
AI翻訳は入力された原文だけを情報源として翻訳するため、複雑な原文では、複雑な訳文になりがちです。AI翻訳から意図する翻訳結果を得るためには、原文をなるべくシンプルで具体的な表現にすることがポイントです。
参考記事:
「日本語固有の助数詞は適切に翻訳できるか」
~ 情報を「つかう」「つたえる」視点で考えるAI翻訳活⽤法 ~