オンヤクを社内会議で使ってみました!レポート

 海外拠点とのやりとりを手軽に行えるよう、ロゼッタ社の音声翻訳「オンヤク」を試してみました。オンヤクの特長を活かした使用方法や、翻訳精度を上げるための工夫のほか、ちょっと困った点もご紹介します。皆様の活用のヒントになりましたら幸いです。

事前準備

 実際の会議を想定し、オンヤクの基本的な使い方の習得も兼ねて、複数名による接続を行い、以下の言語間で、まずは特段の事前設定をせずにオンヤクを使用してみました。
・英語ー日本語
・中国語ー日本語
・韓国語ー日本語
中国語では、実際に中国拠点とのやりとりも試験してみました。

事前準備での所感

 使い方については、一度ロゼッタ社から簡単にデモをしていただきましたが、特にマニュアルを熟読せずとも感覚的に使用することができました。
 翻訳品質はいずれの言語間の場合も、意思の疎通には問題ないレベルで、特に英語→日本語、中国語→日本語の精度は高く、発言内容を日本語で十分に理解できるものでした。中国拠点とのやりとりでも、レスポンス時間も違和感なく使用できました。ただ、いくつかの懸念点も確認できました。

懸念点

1)固有名詞や人名
 - 正しく翻訳できないことがあった。
2)発話以外の音声
 - 周囲の声や雑音を拾ってしまい、翻訳されてしまうことがあった。
3)別ソフトウェアを併用する場合
 - Web会議ソフトウェア等で、デモも一緒に見る場合には、別モニタがあると便利そうであった。

対応策

1)辞書活用による用語登録で翻訳精度改善
 オンヤクには、発言内容を正しく音声認識するためのフレーズリスト機能と、翻訳時に使用する翻訳辞書機能があります。自社固有の用語や人名をあらかじめフレーズリストに登録することで発話内容の音声認識の精度を上げることができました。さらにこれを翻訳時にターゲット言語に正しく翻訳するための翻訳辞書に登録することで、正しく翻訳できるようになりました。

2)ヘッドセットの使用で発話以外の音を遮断
PC内蔵のマイクは、周囲の音声や雑音を拾ってしまい翻訳結果にも影響を及ぼしたため、ヘッドセットを使用することにしました。ヘッドセットを使うことである程度近く(同じ室内)で、複数台で使っても混線等はみられず、発話者の発言を正しく認識できるようになりました。

3)別ソフトウェアを併用する場合、オーバーレイ機能が有効か
今回、オーバーレイ機能までは試しませんでしたが、ロゼッタ社から、オンヤクアプリがリリースされているので、これを併用することで、翻訳結果を重ねて表示できるようになるので、映像の字幕を見るように翻訳結果をみることができそうです。今回は、準備時間の都合もあり、2つのウインドウを立ち上げ対応することにしました。

会議本番での利用

会議の構成は、英語によるプレゼンテーションの後、Q&Aを行う2部構成でした。

効果抜群だった点:

英語でのプレゼンテーションや説明のオンヤクでの英日翻訳
 英語でのプレゼンや質問に対する英語での説明を、オンヤクで英日翻訳する場合は、先方の発言内容をストレスなく理解することができました。用語登録も正しく機能しており、登録したものが正しく表示されており、効果を確認できました。

ちょっとしたお困りごと:

Q&A時の日本語発言の日英翻訳
 シンプルに流暢に日本語で発言できたときには、正しく翻訳され、コミュニケーションも円滑に進めることができました。ただ、日本語の発言内容で、発言の文の途中で少し間があいたり、文を最後まで言い切らない場合があったりした時などに、プレゼンテーターから、「何を言っているのか」といった指摘を受けることが発生し、日英翻訳した際に、訳文にストレスを感じさせた可能性を感じました。
 そのほか、音声翻訳の特性上、リアルタイムに音声認識された内容がそのまま翻訳されて相手側に伝わってしまい、英日翻訳では音声認識できたものが全て翻訳され、日英翻訳では、理解が難しい英文が生成されたりする点について、マイナスにも作用するリスクを感じました。通訳者を介する場合、意図が正しく伝わるように判断できる余地があったり、メール・チャット等では本人が咀嚼して要点だけを書き込むことでワンクッションいれることができても、ちょっとしたボヤキが音声認識されて相手に伝わると、意図せずお互いの心象を害する要因にもつながってしまう恐れがあることに注意を払う必要がありそうです。

まとめ

 オンヤクがあることで、英語が得意な方のスケジュール調整をせずに、いつでもミーティングをすることができるようになり、タイムリーなコミュニケーションが実現できるようになることを確認できました。ただ、運用面において留意する必要があるとも感じています。双方がシステムの扱いに慣れており、かつ翻訳品質に対して一定の理解が得られるなどの前提が成立するところから適用するのが良さそうです。まずは、社内会議から使用していこうと考えています。

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