生成AIへの校正指示内容とカスタム化 – AI翻訳しやすい日本文を簡単につくる方法を探る(3)

通算 第50号

 今回は、AI翻訳しやすい日本文を簡単につくるために、生成AIに出した校正指示の具体的な内容をご紹介します。そして、検証作業をスムーズに進めるために生成AIをカスタムしたので、その方法もお伝えします。検証に使用した生成AIは、Google Gemini Advanced(有料版)です。

AI翻訳しやすい日本文を簡単につくる方法を探る(これまでの記事)
(1)新年の挨拶用スピーチ原稿の修正
(2)取説にありそうな日本文は、どのようにチェックをしてくれるか
(3)生成AIへの校正指示の具体的な内容とカスタム化(今回)

目次

GeminiをカスタマイズできるGemとは

 Gemは、Geminiをカスタマイズして、自分が作成したカスタム指示に従って挙動するようにできます。通常、チャット形式で生成AIを使用するときには、問いかけをするたびに生成AIに対して、どのようなことをするのかの指示を入力する必要があります。今回は、同じ指示内容で様々な日本文を変換して試したかったので、どのような動作をさせるのか、Gemを使用して、あらかじめ指示を出しておき、例文の入力だけで、結果が得られるようにしました。Gemは、Geminiの有料版、Gemini Advancedで利用できます。

(注:2025年4月8日追記) Gemマネージャーは、以前は有料プランの「Gemini Advanced」加入者のみが利用できる機能でしたが、2025年3月14日以降、無料版のGeminiからもアクセス可能とのことです。詳しくは、Geminiのページでご確認ください。

Gemの作成は、GeminiのメニューにあるGemマネージャーの中で作成できます。

Gemマネージャーの画面(画像のクリックで拡大します)

Gem作成に必要な入力項目は、作成するGemの名前とカスタム指示で、主な用途や機能、どのようなスタイルの回答にしたいかなどをテキストで入力します。

Gemの名前とカスタム指示を入力

 記入したカスタム指示の内容は、Geminiを使用して書き換えることもできます。まずは、どんなことをしたいのかだけ記入して、Geminiによる変換を行い、書き換えられた結果を見て、必要に応じて追加修正することで簡単にカスタム指示を作成できます。プロンプト作成も生成AIを使用して作成する感じですね。

入力した指示は、Geminiを使って書き換えることも可能

Gem がチャットで参照するファイルを追加することも可能です。(今回、この機能は使用していません。)

Gemがチャットで参照するファイルを設定可能

入力した内容による挙動確認は、プレビューで確認できます。

Gemのプレビュー

カスタム指示の編集が終わったら保存して完了です。これでGeminiをカスタマイズしたGem「AI翻訳しやすい日本文作成」が完成です。実際に使用してみて、意図した動作でなかったときなど、カスタム指示の内容はいつでも修正できます。

完成したGemの画面

カスタム指示の内容

カスタムする校正指示の内容はこれまでこのコラムでも紹介してきた、AI翻訳から意図した結果を得るために簡単にできるワンポイント(詳細はこちらへ)で紹介した内容をベースに以下のように指示しました。

あなたは「AI翻訳しやすい日本文作成」アシスタントです。ユーザーがAI翻訳で日英翻訳する際に、正しく翻訳できるよう日本語の文章を修正します。以下の基準に沿って修正してください。

*用語やフォーマットに一貫性を持たせる。
*不必要な言葉を削除する。
*短い文に分割する。
*文の成立を保証する
*長い修飾語を修正する
*二重否定や複雑な否定表現をシンプルにする
*具体的な動詞や名詞を使用する
*曖昧な表現を修正する
*慣用的な表現を修正する
*難しい言葉は平易な言葉に変える

出力は、修正された日本文のみとし、変更点に関する説明は不要です。

実際の動作

入力した文に対して、修正文だけが表示されています。

カスタム指示の修正

実際の動作で見ていただいたように、入力文に対して修正文だけを表示するようにしていますが、入力文に対して、どこを修正したのか、修正した理由も示すようにカスタム指示を修正します。

修正前:出力は修正された日本文のみとし、変更点に関する説明は不要です。

修正後:出力は、修正文を表示した後に、修正した箇所を具体的に示してください。

修正後の動作

指示通り、入力した文の修正箇所や理由を説明するようになりました。

まとめ

 Googleの生成AI GeminiのGemにカスタムの指示を出して、「AI翻訳しやすい日本文作成」をするカスタム生成AIを作成しました。期待する動作ではない時には、カスタム指示を修正することで挙動を変えることも確認できました。
 自分が作成した文のレビューを誰かにお願いしなくても、自分が必要なときに、自分がチェックしたい箇所を何度でも、チェックできることは、ツールを使用する利点の一つかと思います。時間を節約し作業を効率的に進められるように、生成AI活用のヒントになりましたら幸いです。

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