ChatGPT 4.0は、TCライティングに活用できるか?(1)- 何を検証していくのか

 先々回と先回、ChatGPT 3.5とBing AIにテクニカルライティングについて質問してみましたが、有用で具体的な回答はあまり得られませんでした。ご承知のとおり、ChatGPT 3.5を使用していますので、結果が今一なのかもしれません。インターネット上の評価では、3.5よりも4.0のほうがはるかに優れているそうです。
 そこで、ChatGPT 4.0を使おうと思いまして、有償版のChatGPTで検証を行うことにしました。まずは、テクニカルライティングについて検証するための準備作業をご紹介します。

<先々回記事>ChatGPTは、日本語や英語の質問で、回答内容は同じなのか
<先回記事>Bing AIの場合 – ChatGPTは、日本語や英語の質問で、回答内容は同じなのか(第2回)

目次

ChatGPT 3.5とBing AIで確認したことの振り返り

 先々回と先回、まずテクニカルライティングが基本的にどういうものであるかを日本語と英語で質問しました。ChatGPT 3.5とBing AIは、テクニカルライティングには、以下の2つの基本的な要素などを答えてくれました。

・文章の目的を決め、その構成を決める
・ターゲットリーダーを特定する (ペルソナ)

 この2つはテクニカルライティングの大原則なので納得できますが、ChatGPT 3.5とBing AIが答えてくれたそれ以外のルールについてはあまり納得できませんでした。ドキュメントをわかりやすくするためのライティングに共通した漠然とした一般的なことしか答えてくれなかったからです。たとえば、「シンプルな文体と言葉の選択」(ChatGTP日本語)/「Clear and Concise Language (明快で簡潔な言語)」(ChatGTP英語)や「Emphasis on Clarity (明瞭さを重視)」(ChatGTP英語)や「Revision and Proofreading (改訂と校正)」(ChatGTP英語)や「Incorporate examples (例を挙げる)」(Bing AI英語)などです。これでは、テクニカルライティングをどのようにして実現するか具体的なルールが述べられていないので、テクニカルライティングを理解するには情報が少なすぎます。

ChatGPT 4.0で確認すること

 そこで、新たにChatGPT 4.0にも、先回までと同じような質問をして、ChatGPT 3.5とBing AIの答とどういう違いがあるのか、そしてテクニカルライティングを理解できているかを確認します。テクニカルライティングには、以下のようなセンテンスとパラグラフの具体的なルールがあります。はたして、それらをChatGPT 4.0はいくつ挙げられるのでしょうか。そして、それらの項目を適切に理解できているのでしょうか。
 センテンスとパラグラフの具体的なルールのいくつかは、先々回の日本語での質問の際に、私が説明することをお約束していたものです。はたして、以下の項目をChatGPT 4.0が理解しているのかどうかたいへん興味があります。

テクニカルライティングの具体的なルール

センテンス

  • ライティングは、3 C (Clear, Correct, and Concise)を心がける
  • 1文で複数のことを説明しない 
  • 長文は短文のパラグラフに分解する (操作説明、状態説明どちらも45字を目安とする)
  • 1文1義(トピックまたはタスク)を心がける
  • 操作説明では、行為者を主語にする (Who does what to whomを明示する)
  • 行為を名詞化(Nominalization)しない 行為は動詞で表現する
  • 操作説明ではできる限り肯定文で表現する
  • 条件節は先出しする
  • 句動詞は使用しない
  • 長い単語やフレーズは短い単語に置き換える
  • 修飾語や強意語は使用しない

パラグラフライティング

  • 視点を一定にする
  • 説明する内容によって書き方を変える (操作説明[タスク]と状態説明[トピック])
  • 1パラグラフ1トピックを心がける トピック文と」サポート文
  • 説明する順序 「時系列」、「既存情報から新規情報へ」など
  • 並列関係にあるものは、並列であることを文法で明示する(パラレリズム)
  • 不必要な同義語や類似句を避けるために、一貫したキーワード/用語を使う
  • 遷移語(接続語)を効果的に使う
  • 箇条書きを活用する

ChatGPT 4.0の検証で取り組む狙い

 ところで、今回の検証で取組みたいことをお伝えさせていただきます。今回、ChatGPT 4.0の優劣を判断するためにこの作業をするわけではありません。もし、ChatGPT 4.0がテクニカルライティングのルールを適切に理解しているのであればそれで良しで、ChatGPT 4.0をライティングに活用します。そして、もし、ChatGPT 4.0がテクニカルライティングのルールに疎いのであれば、それらをインプットして、ChatGPT 4.0をテクニカルライティングの有用なツールとして使えるようにしたいのです。なんだか、わくわくしてきました。

(終わり- ChatGPT 4.0は、TCライティングに活用できるのか? – (1) 何を検証していくのか)

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