翻訳業界は岐路に立っています。一方では、従来の翻訳サービスプロバイダが1ワード単位の価格設定モデルに固執しています。もう一方では、AIと機械翻訳の進歩によって整地された輝きのある新しい道が開きます。今や、これまでの進め方を見直し、新しい進め方に取り組む検討をすべきタイミングです。
主なトピック
・機械翻訳で、「1ワード単位の翻訳単価」は必要なのか?
・翻訳にかかる高い費用を抑制するには
・ニューラル機械翻訳の台頭
・まとめ
・変化を受け入れる:言語翻訳の未来
機械翻訳で、「1ワード単位の翻訳単価」は必要なのか?
以下のようなケースを想定してみます。
あなたは、ブランドをグローバルに拡大しようとしているビジネスオーナーです。翻訳およびローカライズされたWebサイト、特許、製品説明、およびマーケティング資料が必要です。多言語展開するため、翻訳サービスに助けを求めることになります。しかし、翻訳サービスの利用は複雑怪奇なものになる可能性があります。通常、翻訳サービスは、 「ワード単位」または「ページ単位」の価格設定モデルです。翻訳単価は、対応言語や言語数、専門性の高さ、納期などの要因によって大きく異なります。
業界の価格をネットでざっくり検索すると、1ワード辺り0.10から0.30ドルが平均の翻訳単価ということがわかりました。例えば、5ページのビジネス提案書を英語からフランス語に翻訳すると、500ドル以上かかります。
ここで検討すべき項目は、価格だけではありません。これらのサービスに伴う制約や条件を考慮し、次のことを判断する必要があります。
・ 品質とコスト: 高品質の翻訳にはプレミアムが付きます。コストを削減するために、成果物の翻訳品質に妥協する必要があるかもしれません。
・ 所要時間: 通常、所要時間の短縮はコストの増加を意味します。したがって、厳しい締め切りに対応するには、予算枠を大きく確保する必要があります。
・至急対応: すぐに翻訳する必要がありますか? 至急に対応するために翻訳コストが大幅に増加する可能性があります。
これらを実行することは、高額で強力な薬を服用することのようにも思えます。AIを活用した翻訳ツールの登場においても、ワード単位の価格設定モデルは依然として最良の選択肢なのでしょうか。もっと深く検討してみます。
翻訳にかかる高い費用を抑制するには
典型的な翻訳会社(言語サービスプロバイダ(LSP)とも呼ばれます)の内部業務について調べてみます。多くの場合、機械翻訳(MT)は、業務ツールの一部です。通常、MTを活用して初期翻訳を生成し、その後、翻訳者が出力を校正して微調整します。このプロセスは機械翻訳のポスト編集と呼ばれます。
価格押し上げの要因となるものとして、翻訳プロセスの大部分が自動化されている場合でも、迅速な納品要求に対応するために「至急対応」の価格が請求されます。でも、SYSTRANのNMTのようなAI対応の翻訳プラットフォームでは、同じ作業をリアルタイムに実行できるのにも関わらずです。
日常業務の翻訳に対する通常の要求に、翻訳の追加料金を支払うことが必要なのでしょうか。発注側の業務要件に対しても時間がかかり、作業の大部分が自動化されているのにも関わらず、高額の手数料を支払う必要が本当にあるのでしょうか。
そろそろ、根底から再検討が必要な時期かもしれません。
ニューラル機械翻訳の台頭
ニューラル機械翻訳(NMT)を採用をご検討ください。このAIを活用したアプローチは機械翻訳に革命をもたらし、従来のワード単位の価格設定モデルが不要になります。過去5年間でNMTは大きく進歩し、多くの企業で従来の言語サービスプロバイダ(LSP)のサービス利用から、AI対応のプラットフォーム活用への切り替えが進んでいます。多くの場合、機械翻訳のポスト編集プロセスを活用しています。
NMTの利点は、この切り替えを推進します。いくつかの特長を見てみましょう。
- コスト・パフォーマンス: NMTの最も魅力的な利点の1つは、コスト効率です。場合によっては、NMTのソリューションは、従来の翻訳会社のコストの数分の1のコストで翻訳を提供できます。このコスト削減の可能性は、日常的な翻訳ニーズがある企業にとって特に重要です。このような企業では、個々の案件でのわずかなコスト削減でも、トータルでは翻訳コストを大幅に削減できます。
- 高速性: NMTを使用すれば、翻訳プロジェクトが完了するまで数日または数週間かける必要はありません。AIを活用した翻訳は、多くの場合、リアルタイムで正確な結果を提供できるため、企業は変化する市場の状況に迅速に対応し、発生した機会に対応することができます。
- 拡張性: 従来のLSPとは異なり、NMTのソリューションは急速に拡大し、拡大するビジネスのニーズに対応できます。単一のドキュメントを翻訳する場合でも、ウェブサイト全体を翻訳する場合でも、NMTはスピードや精度を損なうことなくワークロードを処理できます。
- 柔軟性: 企業は、コストを削減するために、翻訳プロジェクトに対して相見積をする必要がなくなりました。NMTの手頃な価格は、マーケティング資料から社内コミュニケーションまで、幅広いコンテンツを翻訳できます。
NMTというツールを活用することで業務の効率を上げることができるのに、なぜ企業は依然として古いやり方に固執し、コストを節約するために過去翻訳を流用する作業に「こだわる」ことを選択するのでしょうか?
例えば、50ページの技術マニュアルは1ページあたり平均500ワードで、1ページあたりの従来の翻訳費で2,500ドル以上の費用がかかります。しかし、NMTを使えば、同じマニュアルを25ドルで翻訳できます。この節約効果は驚異的です!
以下に簡単な比較を示します。
従来のLSP | NMT | |
コスト | $2,500 | $25 |
ターンアラウンドタイム | 数日 | リアルタイム |
拡張性 | 人的資源に制限される | 事実上無制限 |
NMTを使用することで、企業は品質、コスト、時間の間を綱渡りにする必要がなくなります。従来の翻訳サービスに代わる、実行可能でコスト効率に優れた代替手段を活用することで、大きな変革をもたらします。
まとめ
ニューラル機械翻訳(NMT)は、翻訳サービスの世界における平均翻訳単価に大きな変化を示しています。NMTのコスト効率、速度、拡張性、柔軟性は、従来のLSPに代わる魅力的な選択肢です。特に、継続的な翻訳ニーズがある企業にとって魅力的です。
AIが言語翻訳業界を進歩させ、変革する中、企業は翻訳サービスのコスト構造を見直し、最新のNMTソリューションのメリットを受け入れることを検討する時期です。
デジタル時代は多くの業界を変え、言語翻訳も例外ではありません。企業がAIを活用した翻訳の利点を認識するようになると、従来の1ページ辺りの翻訳料金や1ワード辺りの翻訳単価のモデルはあまり重要ではなくなってきています。勢力のバランスは変化しており、高価な翻訳サービスは、それを適用しなければ達成できない要件だけ絞って活用することがより良い選択になっていくのかもしれません。
変化を受け入れる:言語翻訳の未来
ニューラル機械翻訳の力を活用することで、企業は翻訳プロセスを合理化し、コストを削減し、市場要求により迅速に対応できるようになります。品質を犠牲にすることなく、翻訳コストの削減、所要時間の短縮、より幅広いコンテンツを翻訳する機能を提供します。
SYSTRANのNMTソフトウェアには、翻訳量に制限はありません。自社専用の稼働環境を構築するだけで、ワード単位の翻訳単価を気にすること無く、セキュアに、必要な時に、必要なだけ翻訳できます。
ぜひ、SYSTRANをお試しください。こちらよりお問い合わせください。
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