ChatGPT 4.0は、TCライティングに活用できるか(9)- クリエイティブライティングにチャレンジ

通算 第45号

TechWrite Guruは、クリエイティブライティングにも対応できるか

 テクニカルライティング用に開発してきたTechWrite Guruですが、クリエイティブライティングにも使用できるのでしょうか。AIで本を書くということが巷で話題になっていたりしていましたが、果たして、効果的に使用できるものでしょうか。ここではこの点を確認してみたいと思います。

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目次

TechWrite Guruへの指示:

中村:
以下の文章は、「浦島太郎」という有名な日本の童話です。この童話を読んで、以下の作業を行なってください。
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1.この童話を200字以内に要約してください。
2.この童話は、どういったことを人に教えようとしているのでしょうか?
3.この童話を、「浦島」というサラリーマンを主人公にした現代社会の話に作り替えてください。文字数は800字以上とします。(この童話を、Science Fictionに作り替えてください。文字数は800字以上とします。)

TechWrite Guruの回答:
200字以内に要約
浦島太郎は亀を助けた礼として竜宮城に招かれ、乙姫様に歓迎される。竜宮城での夢のような日々を過ごした後、帰りたいと思い帰還するが、既に300年が経過していた。孤独を感じた浦島が乙姫様からもらった玉手箱を開けると、瞬く間に老人になり、竜宮城の日々が幻のように消えてしまった。(133字)

わかりやすいストーリーなので、要約は簡単でしたね。

教訓
この童話は、善行が報われることや、時間の価値と儚さを教えています。また、欲望や好奇心が不測の結果をもたらす可能性も示唆しています。

3つの教訓があるというこの分析は、適切だと思います。しっかりしていますね、TechWrite Guru (ChatGPT)は!

現代版「浦島太郎」

さて次は、「浦島」というサラリーマンを主人公にした現代社会の話に作り替えです。

TechWrite Guru:
現代版「浦島太郎」
 ある日、東京都内のビジネスマン浦島は、繁忙な仕事の合間を縫って、ストレス解消のために近くの公園へ出かけた。公園の一角で、数人の子どもたちが亀を虐めているのを目撃した浦島は、「そんなことはやめなさい」と子どもたちを諌めた。子どもたちは反抗的だったが、浦島が説得と共にお金を渡すと、亀を解放した。浦島は亀をそっと公園の池に返した。
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これは、期待外れでしたね。
現代版「浦島太郎」ですが、これでは浦島太郎の原作のままで全く変わっていません。「現代社会の話に作り替えてください」と依頼したわけですから、原作とは異なった内容に創作してほしいですよね。このあたり、しっかりと指示すべきでした。TechWrite Guruに新たな話に作り替えるように指示しました。

現代版「浦島太郎」2

創作力があるかどうかを確認します。

TechWrite Guru:
現代版「浦島太郎」2
プロローグ
東京都内で働くサラリーマンの浦島太郎は、毎日忙しい仕事に追われていた。ある日、浦島は疲れを癒すために近くの小さな公園に立ち寄った。公園のベンチで休んでいると、ふと池のほとりで子どもたちが騒いでいるのを見かけた。
エピソード1:助けられた亀
子どもたちは一匹の小さな亀を捕まえ、楽しみ半分でいじめていた。
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これで、現代社会を舞台にした「浦島太郎」の新しい話が完成しました。いかがでしょうか?

やはり、創作力はあまり期待できそうにないですね。デジタルの方向は良かったのですが、原作に引きずられすぎています。もっとSFで原作から飛び出して創作してほしいものです。

現代版「浦島太郎」3

新たなストーリーに改変するようにTechWrite Guruに依頼しました。

TechWrite Guru:
現代版「浦島太郎」3
プロローグ
浦島太郎は、東京都心で働く普通のサラリーマン。毎日、忙しい仕事に追われ、ストレスを溜め込んでいた。ある日、彼は仕事の合間にリフレッシュしようと近くの公園を散歩していた。そこで、未来の技術を研究している学生たちが、小さなロボットをいじめているのを目撃した。
エピソード1:助けられたロボット
学生たちは、新しいAIを搭載したロボットを試験していたが、エラーを起こして役に立たなくなったロボットを苛めていた。浦島は彼らに近づき、
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ここまでできましたが、やはり基本的なプロットは変わりが無いようです。
この文を読んでいると、TechWrite Guruは「ドラえもん」を知っているようです。そこでTechWrite Guruに聞きました。

中村:あなたは、「ドラえもん」をご存じなのですか?

TechWrite Guru:はい、「ドラえもん」を知っています。「ドラえもん」は藤本弘(藤子・F・不二雄)によって創作された日本の漫画シリーズで、未来から来たロボット猫ドラえもんが、のび太という少年を助けるために未来の道具を使って様々な問題を解決するストーリーです。物語はユーモア、冒険、友情をテーマにしており、幅広い世代に愛されています。アニメ化もされ、映画やグッズも多数展開されています。
他に「ドラえもん」について知りたいことがあれば教えてください。

基本的なプロットに変わりがないので、どうも欲求不満になります。TechWrite Guru先生のどきどきするような力作を読みたい気持ちでいっぱいになりました。

新版浦島太郎: 「輪廻の果て」

細かく指示してストーリーを大きく変えようと思います。

中村:
ストーリーA
まず登場人物—
・浦島太郎 職業:漁師 亀は助けてあげたけれど、ほかの魚たちは釣って商売していた。生き物を売って生計を立てるということには倫理的に問題があるのではないだろうか。浦島はこのことで良心の呵責にさいなまれている。亀を助けたのもそのことがあってのこと
・亀をいじめていた村の不良たち どこにでもいる反省のないワルたち
・亀 自分を助けてくれてありがたいけれど、ほかの魚たちのことを考えると、浦島に抗議もしたい。そのジレンマがあるのは事実である
・乙姫さま 実は如来さま 神々も含めてすべての生き物を治める創造主。元々、輪廻転生は生き物たちそれぞれのものだったが、公平にするために、生き物たちをランダムに輪廻転生させることにした
・たい、ひらめ、かれい、かつおだの、ふぐだの、えびだの、たこだの、大小いろいろのおさかなたち 浦島に対しては、複雑な気持ちを持っている。仲間である亀を助けてくれたことには感謝している。しかし、浦島に自分の兄妹たちを釣られて、そして売られている。兄妹たちはどこでどういう生活をしていることやら?仲間の二~三匹が、時々、浦島にいじわるをする
・腰元ダンサーズ 陽気なダンサーズ 人間の浦島を中心に据えて、浦島サンバをヒットさせようと考えている。一つのおもしろいエピソード
・おばあさん 竜宮城から戻ってきた浦島を、自分の新興宗教に入信させて、乙姫さまにもらった浦島の金をだまし取ろうとする。玉手箱には大金が入っていると思っている。おばあさんは、浦島の玉手箱を奪って、玉手箱を開ける。

これらの登場人物を使って、以下の話を含めた小説を書く
・浦島と亀や魚たちは互いを信じあおうとするけれど、最後は互いを憎み合うようになる
・生き物の本性は悪である、そして皆が互いを否定しあう
・浦島は輪廻転生でミジンコになって、すぐにクジラに飲み込まれてしまう
・絶望の結末を迎える


このストーリーに合ったタイトルも考えてください。

TechWrite Guru:
タイトル: 「輪廻の果て」
第1章: 良心の呵責
浦島太郎は丹後の国、水の江の浦に住む漁師である。毎日、海へ出かけては魚を釣り、その収益で両親を養っていた。しかし、彼の心にはいつも一つの葛藤があった。亀を助けたことがある彼だが、他の魚たちを捕らえて*売る行為に対して良心の呵責を感じていた。 (中村注: 以降、赤字のところは矛盾があったり誤字であったりするところ)

第2章: 亀との再会
ある日、浦島がいつものように海で釣りをしていると
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このストーリーが、浦島太郎の苦悩と運命、そして生き物たちの本性に対する深い洞察を描いています。タイトルも物語のテーマを反映したものとなっています。いかがでしょうか?

新版浦島太郎: 「輪廻の果て」 – ロングバージョン –

中村:
お願いがあります。それぞれの章の内容を具体的に1200字ぐらいに執筆していただけますか。

TechWrite Guru:
もちろんです。それでは、順を追って各章の内容を具体的に執筆します。まずは第1章から始めます。

タイトル: 「輪廻の果て」
第1章: 良心の呵責
浦島太郎は、丹後の国の水の江の浦に住む漁師であった。彼は幼いころから父親に釣りの技術を教わり、海の恵みで家族を養っていた。毎朝早く起き、釣り竿を肩にかけて海へと出かけては、新鮮な魚を獲って市場に売り、その収益で両親を養っていた。彼の腕前は一流で、どんなに深い海でも、大きな鯛やカツオを釣り上げることができた。
しかし、彼の心には常に一つの葛藤があった。
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中村:
どうもありがとうございました。

Tech WriteGuru:
どういたしまして!お役に立てて嬉しいです。また何かお手伝いできることがあれば、いつでもお知らせください。

新版浦島太郎: 「輪廻の果て」 – ロングバージョン修正版 –

中村:
あなたの作品「輪廻の果て」を読みました。少し、矛盾するところや無駄な繰り返しがありますので、そこを修正してください。
・第2章ですでに竜宮城を訪れているのに、第3章のはじめのところで、また訪れたことになっている。矛盾している。
・鯛の同じような話が3回も繰り返される。
第2章で、「一匹の大きな鯛が彼に近づいてきた。鯛は真剣な表情で話しかけた。「浦島さん、私たちはあなたに感謝しています。しかし、あなたの職業によって多くの仲間が命を落としています。」
第4章で、「大きな鯛が彼の元にやってきた。鯛は深い瞳で浦島を見つめ、静かに話しかけた。「浦島さん、あなたが私たちの仲間である亀を助けてくれたことには感謝しています。しかし、私たちにはあなたに伝えなければならないことがあります。」
第6章で、「やがて一匹の大きな鯛が口を開いた。「浦島さん、私たちはあなたを責めるつもりはありません。しかし、あなたの行動が私たちにどれだけの影響を与えているかを知ってほしいのです。」」
・第5章は「浦島サンバ」というタイトルがつけられていて、「浦島サンバ」を初めてのように紹介しているが、実は第2章ですでに出てきている。
・乙姫さまが、実は如来という創造主であることがどこにも告げられていない。

以上、内容を修正してほしいです。全ての章に影響があって書き直すようでしたら、言ってください。よろしくお願いします。

TechWrite Guru:
タイトル: 「輪廻の果て」
第1章: 良心の呵責
浦島太郎は丹後の国、水の江の浦に住む漁師であった。彼は幼いころから父親に釣りの技術を教わり、海の恵みで家族を養っていた。毎朝早く起き、釣り竿を肩にかけて海へと出かけては、新鮮な魚を獲って市場に売り、その収益で両親を養っていた。彼の腕前は一流で、どんなに深い海でも、大きな鯛やカツオを釣り上げることができた。
しかし、彼の心には常に一つの葛藤があった。
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ご指摘いただいた点を反映し、矛盾や無駄な繰り返しを避けるように再構成しました。ご確認いただければ幸いです。

まとめ

 とまあ、こんな感じで新版浦島太郎ができ上がりました。いかがでしょうか。元々は、現代版という指定にしていたのですが、このあたりが曖昧になってしまいました。すみません。
 人間を頂点とする食物連鎖の話に生物の互いの利害関係を投影すると、これは戦争問題と同じような複雑な話になってしまい、なかなか結論が得られないものになります。元の村に戻ってからの浦島の活動を含めたらよかったのでしょうが、これまた、複雑で大きなテーマになってしまいます。

 AIで本を書くということが巷で話題になっていたりしますが、おわかりいただけますように、どうやら簡単な話ではないようです。具体的で細かな指示をしなければ、AIはすぐに脱線してしまって、適切なストーリーは構築できません。たしかに、AIをライティングに使用するというのはそれなりに使えるのでしょうが、AIで本を書く(書ける)というのは基本的には、話題づくりという意味もあったのではないでしょうか。

<終わり- ChatGPT 4.0は、TCライティングに活用できるか(9)- クリエイティブライティングにチャレンジ>

ChatGPT 4.0は、TCライティングに活用できるか(これまでの記事)
(1)何を検証していくのか
(2)ChatGPT4.0はTCについて何と答えるか?
(3)カスタム生成AI TechWrite Guruの誕生
(4)ChatGPT4.0が校正した文を解析して、見えてきたこと
(5)校正指示でどこまで改善できるか – 取説作成にもチャレンジ
(6)指定する対象読者層に沿った書き分けはできるか
(7)ChatGPTは常に信頼できるか?
(8)日米欧のAI利用を取り巻く現状の違い
(9)クリエイティブライティングにチャレンジ(今回)

<生成AI活用シリーズ>

<これまでに掲載した記事をピックアップ>

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